遺産に賃貸不動産が含まれているのですが、その賃料収入は誰のものですか?
Q. 遺産に賃貸不動産が含まれているのですが、その賃料収入は誰のものですか?
相続開始前の賃料債権(例:被相続人が1月1日に亡くなった場合、前年の12月31日までに支払うべき賃料で死亡時にまだ支払われていないもの)については、何もしなくても、相続と同時に相続分に応じて分割され、各相続人が取得することになります。
しかし、相続開始前の賃料が被相続人の銀行口座等に支払われ、その口座で預貯金として預け入れられている場合は、相続分に応じて分割されることはなく、遺産分割の対象となります。したがって、遺産分割手続の中で分割されることになります。
相続開始から遺産分割までの間に発生した賃料債権は、遺産とは別個のものとして、各相続人がその相続分に応じて取得することになります。例えば、賃料額が10万円で相続人が被相続人の子2名の場合、それぞれが自己の相続分(2分の1)5万円分の賃料債権を取得することになります。そのため、各相続人が単独で5万円を賃借人に請求できますが、それでは賃借人の手間を大きくしてしまい、賃借人との間でトラブルにならないとも限りません。そこで、賃借人に対しては、どちらかを代表者として10万円全額を請求し、賃借人から支払われた後に相続人間で分配することが適切な場合が多いと思われます。